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Darwin's Nightmare

ベルファーストフェスティバルの一貫で、『Darwin’s Nightmare』という名の映画を観た。
アフリカのお話、というくらいしか知らず観に行ったのだけど。
相当良かった。いかにもPeace Studiesの学生が好きそうな内容で、“そう、私は自分の人生をこういう地球上の不平等と戦うために働きたいのよー!”とレインボーカラーの旗を振り回したくなってしまうような映画なのだ。絶対ブラッドフォードのピースの人は好きだろうなぁ、こういう映画。

ドキュメンタリーなのだけどね。
基本的に、タンザニアの人たちの生活がグローバリゼーションの中にどのように取り込まれていて、どういう影響を彼らに及ぼしているか。南北問題、弱肉強食の世界。
よくこの類の話は聞くけれど、Lake Victoriaという巨大な湖の魚が毎日200トン(だったかな)もヨーロッパの食卓用に運ばれていく。ロシアから空っぽの飛行機が飛んできて、帰りには機内を魚で一杯にして帰っていく。時にはその飛行機はアンゴラやコンゴなどに武器を運んでくる。そして食べ物を積んで帰っていく。以前はLake Victoriaの魚を採って食べていた地元民たちにとって今はその魚はあまりにも高価になりすぎて手が届かなくなってしまった。切り身に加工されて魚はヨーロッパに行くので、その残飯となった魚の頭や骨を干してそれがアフリカの人たちの食事となる。200トンもの魚が毎日国外に運ばれていく中で、タンザニアの中部は飢餓に陥っているというニュースが流れる。その200トンの魚が、たった1日分の輸入量の魚がその飢餓で苦しんでいる人たちに与えられれば・・・。
ある兵士が、多くの人は戦争を望んでいる、そうしたら国家は兵士を必要とし、兵士には高給が与えられる。そして紛争地域には国連やNGOなどが援助したがり、大量に支援物資が流れてくる。そうじゃないと戦争のない飢餓だけがある地域には誰も注目しないから・・・って。
なんて悲しい現実なんだろう。でもそれは現実でもあるのだろう。

映画の中のタンザニアの姿は、どうしても私にとって映画の中の話なのだ。
私がそういう中で生活している姿はどうしても想像できない。自分がそういう環境に生まれることだってあるのに。たまたま戦後の日本という物質的に恵まれた環境・時代に生まれてきただけなのに。

こういうドキュメンタリーを是非日本の(世界の先進国の)高校生に学校で見せてあげて欲しいと思った。そのためなら私は字幕翻訳ボランティアしたいくらいだ。本当に色んな問題が見えてくる。そういうことに若いときから触れて欲しい。
こういうeye openingな映画をどんどん作って欲しい。そしてどんどん観て学びたい。

by smilingmoon | 2005-10-25 20:47 | 学び  

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