BNP

3日間の「ブラッドフォードスタディーツアー」もやっと今日で最終日を迎えた。
たったの3日間だったけど、その間に得る情報量は相当なもので、加えて朝から晩までだったのですっかり疲れてしまった。今朝なんてベットの中で何度も”今日はやめとこうか・・・”という誘惑に負けそうになったけど、やっぱり今日も行って良かった!3日前と今ではブラッドフォードの見方も5倍くらい面白くなった気がする。

今日一番興味深かったのは、やはり極右政党のBNP(ブリティッシュ・ナショナル・パーティー=国民党)とのミーティングだろうか。
午前は市庁舎を訪問して、各政党の議員と30分ずつの会談をした。BNPはドタキャンするんじゃないか、という私達の予想に反して、予定ではアンジェラ・クラークという女性BNP党員一人とのミーティングだったのに、会場にはジェームス・ルースフィールドという一方的に喋り捲る男性議員も参加してきて、当初のアンジェラはほっとんど発言もしなかった。

そのジェームス議員の発言は、予想通りというか、予想以上というか、やっぱり普通の思考で考えたら”そりゃおかしいだろ”というようなことを平気でポンポン言うので、平和を学ぶ私達の中には見るからに怒り心頭の様子の生徒も見受けられた。
例えば、”移民はみんな祖国に帰っちまえ”発言。

”1950、60年代に労働力の不足から多くの移民を受け入れたが、それは自動化などで乗り越えれば良かったことで、移民を受け入れたばかりに彼らは住み着いてしまい、その人口は膨れるばかり。彼らの出生率は恐ろしく高いもので、貧しいくせに子供の数ばかり増えるので、白人の労働階級の税金はそういう貧しい移民の地域ばかりに注入されていき、白人はその恩恵さえ受けることができていない。そんな不公平なことが許されてたまるか!だからブラッドフォードから白人は逃げていくんだ。ヤツらのために働いてるんじゃない!”

議員として、ブラッドフォードをどういう方向にリードしたいのか、という質問に対しては、
”この町に調和をもたらすような解決策はない。調和などないんだ!”

こんな発言を議員がするということも信じられないことではあるけど、そういうBNPを支持する人たちが居たということ自体がショッキングだと思った。
確かに、いつからかこの街にはパキスタン人がどんどん増え始め、中東の民族衣装を来た人たちが町を闊歩し、レストランはカレー屋かケバブ屋か、というようになった。BNPの言葉を借りれば、これまではこの時期にはクリスマスカードを店頭で多く見かけたのに、パキスタン人が増えて以来、この町ではクリスマスカードの習慣などなくなってしまい、店でも見かけなくなった。こうやってイギリスの文化が侵食されていった。これを好まない白人の人たちは郊外に逃げて行った。

このことで、白人と南アジア系移民の移住地区がクッキリと分かれてしまい、お互いのエリアに行くことに”恐怖”を感じている。シティーセンターから車で15分も走るとそこは美しいヨークシャーデールやムーアが広がっているのだけれど、移民の多くは20年とか長いことブラッドフォードに住んでいながら、そういった白人ばかりの郊外に出た事がないという人がかなり多いのだ。信じられる??それは、自分たちと同じような仲間がいる地域の”外”、つまり、安全とは感じられない地域に足を踏み入れることの”恐怖心”からだ。
そして、以前聞いたことのある、”白人ばかりの移住地域に南アジア系の家族が引っ越したら、家にレンガや石などを投げられてすぐに引っ越していかざるを得なかった”という話は誇張かと思っていたけれど、本当の話だった。衝撃的だ。ここは北アイルランドか?!

リベラル・デモクラット(”リブデム”と短縮して呼ぶ。自由民主党?)の女性議員は、BNPのことを”人の恐怖心につけこむ卑怯な政党”と表現した。他のレイバー(労働党)やグリーン(緑の党)の議員たちも、BNPのような人種差別グループを政党とは認めたくないとして議会でもオフィシャルな討議の場以外では言葉も交わさないそうだ。(これに対しては、生徒から”対話”も大切なのでは?”という意見が出た。)

今回のブラッドフォードツアーで頻繁に出てきた言葉がコレ。

「segregation」(分離、隔絶、人種差別)

ブラッドフォード(イギリス?)では、人種や社会階級(クラス)によって色んなところでsegregationが起きている。
これはちょっと日本にはあまりないタイプだと思うけど、今後労働力確保のためにも移民受け入れを検討しなくてはいけない日本にとっては他人事ではない問題だと思う。

でもうまくいく方法も絶対あるはずだと思う。絶対に。
学校を例にとっても、異文化が共生している学校はブラッドフォードにもあるわけだし。差別というのは親や環境によって子供に伝えられるものだと思うし。
最近イギリスでは全国的に「citizenship」という科目が必須になったそうだ。”市民権”、”公民権”という意味だ。
人々が安心して暮らせる権利についてしっかり考える機会にして欲しい。
恐怖を感じながら生活することが、プラスに働くことは何一つないのだから。
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by smilingmoon | 2004-11-11 10:01 |  

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