許し。

夜BBCの番組でForgiveness(許し)という特集をやっていた。平和学部の授業みたいなタイトルなので、思わず1時間ダンベルしながら見てみた。

4組くらいのケースを挙げて、人が”許す”という過程にどう至るのかを観察。
例えば、我が息子を見ず知らずの青年たちに路上リンチで殺された両親が出てきて、その時の心境からその後の気持ちの変化、なぜ許そうという気持ちになったのかなどを述べる。
その両親は敬虔なクリスチャンだったこともあるだろうけど、”自分たち自身のためにも”犯人を許さないといけない、って思ったんだって。憎しみを持ったまま生きていくのでは自分たち自身の人生もそこで終わってしまうし、憎しみを持ったまま生きていくことはできない、と思ったのだそうだ。
いい人たちすぎる・・・!!
”自分たちから先に相手を許せば、この世の中はもっと良い世界になるだろうに。”なんて普通の人は言えません。リベンジしか頭にないどこかの国の大統領に聞かせたいものだ。同じクリスチャンでもこんなに違います。

でも確かにその言葉は説得力のあるものだなと思った。
確か以前テレビで見たのだけど、第二次世界大戦中に日本軍の捕虜になって、仲間もたくさん殺され、ずーっと戦後日本&日本人を恨み続けてきたイギリス軍の元捕虜(POW: Prisoners Of War)が居て、その憎しみを糧に生きてきた、という感じだったらしい。
その人が、戦後半世紀以上経って、日本にやってくることになった。これは、彼のような元捕虜と日本の懸け橋になろうとしている日本人のグループがあり、そこが招待した。
そして彼は遂にずっと憎んできた国にやってきたのだけど、そこで見たのは普通に暮らす普通の日本人の姿。そしてずっと憎んできた日本人の優しさに触れた時、すーっと彼のこの長年の憎しみの気持ちも消え、彼は気持ち穏やかに人間らしく暮らせるようになった、というドキュメンタリーだったと記憶している。
憎しみが彼の人生を司っていたのが、本来の彼が自分の人生を司るようになったのでしょう。

なんとなく分かる気がしなくもない。
小さい頃に苛められ、それを何十年経って大人になってもしっかり心の傷として持っている人は実は多いと思うけれど、苛めた相手はほとんどの場合あまり覚えていない。
でも自分の中の傷はずっと開いたままで、苛めた相手を憎み続けているのだけど、自分だってそんな痛みをいつまでも覚えていたいわけはない。できれば消してしまいたいのだけど、それは消えるものではない。
そんな長年の傷を癒すものは、実は苛めた相手からの”ごめんなさい”というたった一言の謝罪だったりするのだ。それで、過去の受けた痛みが消えるわけではないけれど、憎む気持ちから自分が解放されることもある。
そんな40歳過ぎの男の人のケースも紹介されていた。

BBC、ゴールデンタイムになかなか素敵な番組を放送するじゃないか!勉強になりました。
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by smilingmoon | 2005-02-14 07:26 | 学び  

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