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「Atomic Cafe」

私の家からキャンパスまでは3キロちょっと。バスに乗ったら10分で着く。
みんな大抵1度や2度歩いたことがあるというので、私も今日初めてチャレンジ。
学校に行くにはマニンガム地区を通り抜ける。ここは例の2001年暴動が起きた場所。ちょっとドキドキ。が、もちろん普段から火炎瓶が飛び交うわけでもなく、普通の人々が日常生活を営んでいる。道行く人がみんな中東の服装なのには圧倒されたが、あまり見慣れない小さな商店やお菓子屋があったりして、何だかワクワク。結構気に入った。
結局家を出て50分後に学校に無事到着。さほど疲れずいい運動になった。

今日学校に行ったのは、平和学部が定期的にやってくれているタダ映画を鑑賞するため。
いつもはあまり行かないのだけど、今日の映画は「Atomic Cafe」という興味深いタイトルで、軍縮の授業を取っている学生にはオススメということだったので。
事前にどんな映画か全く知らなかったので、アトミック(原子)とカフェという2つが何ともミスマッチだなぁ~という印象しかなかった。

最初はマンハッタン計画、そして広島に原爆を投下したポール・チベッツのインタビューなどがあり、”おぉ、ヒロシマ・ナガサキ映画かぁ?!”と思ったら、期待通り原爆投下後の街の様子や被爆者の様子なども正しく取り扱ってくれていた。通常こういう映像を使うと、ドーンと暗くなるのが常だが、その前後にはポップな音楽が流れ、アメリカ人サイドから見て、その原爆投下によって”平和”が訪れてハッピー、というようなアメリカ人が心躍らせている様子も描写されていた。

メインは、1940,50年代のアメリカ人の共産主義やソビエトへの大きな恐怖、冷戦時代に生きる人々の様子、核開発の進展などにフォーカスされている。
私はちょうど修士論文で、この映画でまさに取り上げられていたような核に対する人々の無知についても触れていたので、思わず嬉しくなった。

例えば、"Duck and Cover"。
これは、もしソビエトが核攻撃してきたら、亀のようにすぐ机の下に隠れたり、地面にうつぶせなさい、そうすれば大丈夫!というアメリカ政府からのお達し。今聞くと、あまりに馬鹿馬鹿しくて、映画を見ている学生も鼻で笑っていたが、あの当時は本当にこれが核に対して有効で、学校では子供たちが机の下に隠れる訓練をさせられていたのだ。地震でもあるまいし。。。
他にも、アメリカ兵が核実験場で核の危険さを知らされず、まるで人体実験のように核爆発のすぐ傍に配置させられたり、軍の教育ビデオで放射能は危険ではありませんと教えていたり、本当に現代の常識からしたら笑うしかない、というレベルなのだ。
その無知さ、政府のプロパガンダの様子をこの映画はブラックにそしてポップに表現していた。

さっきネットで知ったけれど、これを作ったケビン・ラファティという監督は、ジョージ・ブッシュの従兄弟だそうだ!そしてこの監督を崇拝してるのが、あの、マイケル・ムーア監督だそう。そういえば、何となく重いテーマをブラックに扱うところが似てるような。。。
このAtomic Cafe、12月17日に日本でもDVDが発売らしい。1982年に作られた映画なのに、今頃またホットなんだね。是非核やプロパガンダ、アメリカという国に興味のある人にはおすすめです。

by smilingmoon | 2004-11-24 09:43 | 学び  

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